河川法について

こんにちは、株式会社ラムセス代表の池田です。今回は河川法をご紹介させていただきます。河川法とは、日本の国土保全や公共利害に関係のある重要な河川を指定し、これらの管理・治水及び利用等を定めた法律です。それでは見ていきましょう。

1.河川区域内における工作物の新築等の制限

(1)河川区域(法第6条)
河川区域とは、1級河川、2級河川及び準用河川にかかる次の区域をいいます。
① 河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他の異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域(いわゆる「1号地」)
② 河川管理施設(ダム、堤防等河川の流出によって生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設で河川管理者が設置し、又は管理する施設)の敷地である土地の区域(いわゆる「2号地」)
③ 堤外(堤防より河川側)の土地(一定のこれに類する土地及び一定の遊水池を含む。)の区域のうち、1号地と一体として管理を行う必要があるものとして河川管理者が指定した区域(いわゆる「3号地」)
(2)河川管理者
河川管理者とは、1級河川(国土交通大臣が指定)にあっては国土交通大臣、2級河川(都道府県知事が指定)にあっては都道府県知事、準用河川(市町村長が指定)にあっては市町村長をいいます。
(3)制限の内容(法第26条第1項)
河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。
(4)河川区域の確認方法
取引物件が河川区域内にあるか否かの確認のためには、登記簿上の表題部の河川区域内の土地である旨の記載を確認するとともに、1級河川にあっては地方整備局の事務所、2級河川にあっては都道府県の事務所で、河川現況台帳を閲覧することができます。

2.河川区域内における土地の掘削等の制限

(1)制限の内容(法第27条第1項)河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為又は竹木の栽植、伐採をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。
【適用除外】
イ 法第26条に基づき工作物の新築等の許可を受けた者が、当該新築等のためにする土地の掘削等
ロ 河川管理施設の敷地から10m以上離れた土地において行う耕うん
ハ 河川管理者が治水上及び利水上影響が少ないと認めて指定した行為など

3.河川保全区域における一定の行為の制限

(1)河川保全区域(法第54条)
河川保全区域とは、河川管理者が、河岸又は河川管理施設を保全するため河川区域の境界から50m(原則)を超えない範囲内で指定した区域をいいます。
(2)制限の内容(法第55条第1項)
河川保全区域内において土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更する行為又は工作物の新築・改築をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。
【適用除外】(施行令第34条)次に掲げる行為については許可を要しません(ただし、Ⅱ及びⅢに掲げる行為で、河川管理施設の敷地から5m 以内の土地におけるものを除く。)。Ⅰ 耕うん
Ⅱ 堤内の土地における地表から高さ3m 以内の盛土
Ⅲ 堤内の土地における地表から深さ1m 以内の土地の掘削又は切土など
(3)河川保全区域の確認方法
河川区域と同様に、関係地方整備局又は関係都道府県の事務所で河川現況台帳を閲覧することができます。

4.河川予定地における一定の行為の制限

(1)河川予定地(法第56条)
河川管理者が河川工事を施行するため必要があると認めるときに、当該河川工事の施行により新たに河川区域内の土地となるべき土地を河川予定地として指定します。
(2)制限の内容(法第57条第1項)
河川予定地において土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更する行為又は工作物の新築・改築をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。
【適用除外】(施行令第35条)
Ⅰ 耕うん
Ⅱ 地表から深さ1.5m 以内の土地の掘削又は切土
(3)河川予定地の確認方法
地方整備局又は都道府県の事務所で河川現況台帳を閲覧することができます。

5.河川保全立体区域における一定の行為の制限

(1)河川保全立体区域(法第58条の3)
河川保全立体区域とは、河川立体区域を指定する河川管理施設を保全するため、河川管理者が当該河川立体区域に接する一定の範囲の地下又は空間を指定するもので、当該河川管理施設を保全するため必要な最小限の範囲に限って指定します。
(2)制限の内容(法第58条の4第1項)
河川保全立体区域において土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更する行為、工作物の新築・改築・除却又は重量が2t /㎡以上の土石その他の物件の集積をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。
【適用除外】(施行令第35条の2)
Ⅰ 耕うん
Ⅱ 地上又は地表から深さ1m 以内の地下における工作物の除却
Ⅲ 河川管理者が河川管理施設の保全上影響が少ないと認めて指定した行為など
(3)河川保全立体区域の確認方法
地方整備局又は都道府県の事務所で河川現況台帳を閲覧することができます。

6.河川予定立体区域における一定の行為の制限

(1)河川予定立体区域(法第58条の5)
河川予定立体区域とは、河川管理者が河川工事の施行のため必要があると認めるときに、河川工事の施行により新たに河川立体区域として指定すべき地下又は空間を河川予定立体区域として指定します。
(2)制限の内容(法第58条の6第1項)
河川予定立体区域において、土地の掘削、盛土、切土その他土地の形状を変更する行為又は工作物の新築・改築をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。
【適用除外】(施行令第35条の4)河川予定地と同様。
(3)河川予定立体区域の確認方法
地方整備局又は都道府県の事務所で河川現況台帳を閲覧することができます。

★出典(公社)全国宅地建物取引業協会の重要事項説明資料「河川法」より転記。

池田
株式会社ラムセスは、従業員一同、日々様々な法令について勉強しております。不動産売買のご相談は、株式会社ラムセスまでお問合わせください。きっと、お役にたてると思います。