地すべり等防止法

今月のトピックは「地すべり等防止法に関する法律」です。この法律は、地すべり及びボタ山の崩壊による被害を除却し、又は軽減するため、地すべり及びボタ山の崩壊を防止し、もつて国土の保全と民生の安定に資することを目的としております。 それでは見ていきましょう!

1.地すべり防止区域内における一定の行為の制限

(1)地すべり防止区域(法第3条)
地すべり防止区域とは、主務大臣が、関係都道府県知事の意見を聴いたうえで、地すべり区域(地すべりしている区域又は地すべりするおそれのきわめて大きい区域)及びこれに隣接する地域のうち地すべり地域(地すべり区域の地すべりを助長若しくは誘発し、又はそのおそれのきわめて大きい地域)であって、公共の利害に密接な関連を有するものを地すべり防止区域として指定します。なお、ここでいう地すべりとは、土地の一部が地下水等に起因してすべる現象又はこれに伴って移動する現象をいいます(法第2条第1項)。

(2)制限の内容(法第18条第1項)
地すべり防止区域内において次の行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
Ⅰ 地下水を誘致し、又は停滞させる行為で地下水を増加させるもの、地下水の排水施設
の機能を阻害する行為その他地下水の排除を阻害する行為
Ⅱ 地表水を放流し、又は停滞させる行為その他地表水のしん透を助長する行為
Ⅲ のり長3m 以上ののり切又は直高2m 以上の切土
Ⅳ ため池、地すべり防止施設(地すべり防止区域内にある排水施設、擁壁、ダムその他の地すべりを防止するための施設)以外の一定の施設又は工作物の新築又は改良など

(3)確認方法
取引物件が地すべり防止区域にかかっているか否かは、現地に出向き標識を見て確認します。また、都道府県の砂防・林野・農地担当部局又は事務所で地すべり防止区域台帳を閲覧することができます。

2.ボタ山崩壊防止区域内における一定の行為の制限

(1)ボタ山崩壊防止区域(法第4条)
ボタ山崩壊防止区域とは、主務大臣が、関係都道府県知事の意見をきいて、ボタ山の存する区域であって、公共の利害に密接な関連を有するものをボタ山崩壊防止区域として指定します。なお、ここでいうボタ山とは、石炭又は亜炭にかかる捨石が集積されてできた山であって昭和33年4月1日に現に存するものをいい、鉱山保安法第4条又は第26条の規定により鉱業権者等が必要な措置を講ずべきものを除きます(法第2条第2項)。

(2)制限の内容(法第42条第1項)
ボタ山崩壊防止区域内において次の行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
Ⅰ 立木竹の伐採(間伐、択伐、除伐又は風倒木竹若しくは枯損木竹の伐採を除く。)又は樹根の採取
Ⅱ 木竹の滑下又は地引による搬出
Ⅲ のり切又は切土
Ⅳ 土石の採取又は集積
Ⅴ 掘さく又は石炭その他の鉱物の掘採で、ボタ山の崩壊の防止を阻害し、又はボタ山の崩壊を助長し、若しくは誘発する行為
Ⅵ 芝草の採取
Ⅶ 用排水路の新設又は改良

(3)確認方法
取引物件が区域にかかっているか否かは、標識やボタ山崩壊防止区域台帳により確認します。

★出典(公社)全国宅地建物取引業協会の重要事項説明資料「地すべり等防止法」より転記。

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