森林経営管理法について

こんにちは、株式会社ラムセス代表の池田です。今回は「森林経営管理法」をご紹介させていただきます。平成30年5月25日に「森林経営管理法」の新たな法律案が可決し、平成31年4月1日に施行され、「森林経営管理制度」がスタートしました。森林経営管理制度は、手入れの行き届いていない森林について、市町村が森林所有者から経営管理の委託(経営管理権の設定)を受け、林業経営に適した森林は地域の林業経営者に再委託するとともに、林業経営に適さない森林は市町村が公的に管理(市町村森林経営管理事業)をする制度です。それでは詳しく見ていきましょう。

  1. 森林経営管理法(法第1条)
    この法律は、森林法第5条第1項の規定によりたてられた地域森林計画の対象とする森林について、市町村が、経営管理権集積計画を定め、森林所有者から経営管理権を取得した上で、自ら経営管理を行い、又は経営管理実施権を民間事業者に設定する等の措置を講ずることにより、林業経営の効率化及び森林の管理の適正化の一体的な促進を図り、もって林業の持続的発展及び森林の有する多面的機能の発揮に資することを目的としています。
  2. 定義(法第2条)
    (1)森林
    森林法第2条第3項に規定する民有林をいいます。
    (2)森林所有者
    権限に基づき森林の土地の上に木竹を所有し、及び育成することができる者をいいます。
    (3)経営管理森林について
    自然的経済的社会的諸条件に応じた適切な経営又は管理を持続的に行うことをいいます。
    (4)経営管理権
    森林について森林所有者が行うべき自然的経済的社会的諸条件に応じた経営又は管理を市町村が行うため、当該森林所有者の委託を受けて立木の伐採及び木材の販売、造林並びに保有(以下「伐採等」という。)(木材の販売による収益(以下「販売収益」という。)を収受するとともに、販売収益から伐採等に要する経費を控除してなお利益がある場合にその一部を森林所有者に支払うことを含む。)を実施するための権利をいいます。
    (5)経営管理実施権森林について
    経営管理権を有する市町村が当該経営管理権に基づいて行うべき自然的経済的社会的諸条件に応じた経営又は管理を民間事業者が行うため、当該市町村の委託を受けて伐採等(販売収益を収受するとともに、販売収益から伐採等に要する経費を控除してなお利益がある場合にその一部を市町村及び森林所有者に支払うことを含む。)を実施するための権利をいいます。
  3. 責務(法第3条)
    森林所有者は、その権限に属する森林について、適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、経営管理を行わなければなりません(第1項)。また、市町村は、その区域内に存する森林について、経営管理が円滑に行われるようこの法律に基づくその他必要な措置を講ずるように努めるものとされています(第2項)。
  4. 経営管理権集積計画
    (1)経営管理権集積計画の作成(法第4条第1項)
    市町村は、その区域内に存する森林の全部又は一部について、当該森林についての経営管理の状況、当該森林の存する地域の実情その他の事情を勘案して、当該森林の経営管理権を当該市町村に集積することが必要かつ適当であると認める場合には、経営管理権集積計画を定めることができます。
    (2)経営管理権集積計画の公告等(法第7条)
    市町村は、経営管理権集積計画を定めたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なくその旨を公告するものとされています(第1項)。 上記の公告があったときは、その公告があった経営管理権集積計画の定めるところにより、市町村に経営管理権が、森林所有者に金銭の支払を受ける権利(以下「経営管理受益権」という。)が、それぞれ設定されます(第2項)。
    (3)制限の内容(法第7条第3項)
    設定された経営管理権は、その公告のあった後において当該経営管理権に係る森林所有者となった者(国その他の農林水産省令で定める者を除く。)に対しても、その効力があります。
  5. 経営管理実施権配分計画
    (1)経営管理実施権配分計画の作成(法第35条第1項)
    市町村は、経営管理権を有する森林について、民間事業者に経営管理実施権の設定を行おうとする場合には、農林水産省令で定めるところにより、経営管理実施権配分計画を定めることができます。
    (2)経営管理実施権配分計画の公告等(法第37条)
    市町村は、経営管理実施権配分計画を定めたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なくその旨を公告するものとされています(第1項)。上記の公告があったときは、その公告があった経営管理実施権配分計画の定めるところにより、民間事業者に経営管理実施権が、森林所有者及び市町村に経営管理受益権が、それぞれ設定されます(第2項)。
    (3)制限の内容(法第37条第3項)
    設定された経営管理実施権は、その公告のあった後において当該経営管理実施権に係る森林の森林所有者となった者(国その他の農林水産省令で定める者を除く。)に対しても、その効力があります。

★出典(公社)全国宅地建物取引業協会の重要事項説明資料「森林経営管理法」より転記。

池田
株式会社ラムセスは、従業員一同、日々様々な法令について勉強しております。不動産売買のご相談は、株式会社ラムセスまでお問合わせください。きっと、お役にたてると思います。