流通業務市街地の整備に関する法律(流通業務市街地整備法)

今月のトピックは、「流通業務市街地整備法」です。この法律は、都市における流通業務市街地の整備に必要な事項を定め、流通機能の向上及び道路交通の円滑化を図り、結果として都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的としています。それでは見ていきましょう!

1.流通業務地区内における一定の行為の制限

(1)流通業務地区(法第4条)流通業務地区とは、大都市における流通機能の向上及び道路交通の円滑化を図るため、幹線道路、鉄道等の交通施設の整備の状況に照らして流通業務市街地として整備することが適当であると認められる区域について都市計画に定めた地区をいいます。流通業務施設等とは、トラックターミナル、鉄道の貨物駅、卸売市場、倉庫、荷さばき場などをいいます。
(2)制限の内容(法第5条第1項)流通業務地区内において、流通業務施設等以外の施設を建設し、又は施設の改築や用途の変更により流通業務施設等以外の施設としようとするときは、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。
【適用除外】 ① 公共施設又は一定の公益的施設の建設や改築を行う場合 ② 流通業務地区に関する都市計画が定められた際、既に建設や改築に着手していた場合

2.流通業務団地造成事業に伴う流通業務施設の建設義務

(1)流通業務団地造成事業流通業務団地造成事業とは、流通業務団地について、「流通業務市街地の整備に関する法律」や「都市計画法」の定めるところによって行われる流通業務施設の全部又は一部の敷地の造成、造成敷地の処分、敷地とあわせて整備されるべき公共施設や公益的施設の敷地の造成又はそれらの施設の整備に関する事業で、都市計画事業として施行されるものをいいます(法第2条第2項)。流通業務団地は、流通業務地区内の土地の区域で、次の要件を満たす場合に定められます。 ① 流通業務地区外の幹線道路、鉄道等の交通施設の利用が容易であること ② 良好な流通業務の団地として一体的に整備される自然的条件を備えていること ③ その区域の大部分が建築物の敷地として利用されていないことなど(法第6条の2)なお、流通業務団地造成事業の施行者は、地方公共団体、都市再生機構又は地域振興整備公団です(法第10条)。
(2)制限の内容(法第37条第1項)流通業務団地造成事業の施行者から流通業務施設を建設すべき敷地を譲り受けた者やその承継人は、施行者が定めた期間内に、流通業務施設の建設の工期、工事の概要等に関する計画を建設計画書や図面に定めて施行者の承認を受けたうえ、その計画に従って流通業務施設を建設しなければなりません。

3.造成敷地等に関する権利の処分の制限

(1)制限の内容(法第38条第1項)流通業務団地造成事業にかかる工事完了の公告の翌日から起算して10年間は、造成敷地等又はその上に建設された流通業務施設や公益的施設に関する所有権、地上権、質権、使用貸借による権利又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転については、当事者は、都道府県知事の承認を受けなければなりません。
【適用除外】 ① 当事者の一方又は双方が国、地方公共団体である場合 ② 相続その他の一般承継により権利が移転する場合 ③ 滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売等により権利が移転する場合など

★出典(公社)全国宅地建物取引業協会の重要事項説明資料「流通業務市街地整備法」より転記。

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