こんにちは、ラムセス代表の池田です。前回は「不動産買取会社の発想」「物件の仕入れ方法」についてお話しをさせていただきました。今回は一般の方が不動産投資として手を出さない方が望ましいい不動産についてご紹介させていただきます。
プロの買取業者も不動産仲介業者を通じないで仕入れをおこなうことがあります。 その代表が不動産競売です。
不動産競売について
不動産競売とは、民事執行法に基づき、住宅ローン等の債権回収のために銀行等の債権者が裁判所に対して申立てを行うと、その不動産を裁判所が売却する手続を言います。 (※住宅ローンが支払えず、債権者が強制競売を行う事例が増えています。)
競売で不動産を購入するメリットは市場価格より安いことだと一般的に言われていますが、最近は落札額が上がっており市場価格よりも高く落札されることも多くなってきています。
当然リスクも存在します。建物内部は原則として執行官が撮影した写真を見て判断することになり、現状渡しが原則なので落札後に発見された構造上の瑕疵等の修復費用は落札者が負担しなければなりません。また落札後、元の所有者及び関係者が居座り続けるケースもあります。その場合、裁判所に引き渡し命令の申し立てを行い、執行官による強制立ち退きも可能ではありますが、相応の費用がかかりますし、立ち退き費用は原則立ち退く側の負担だが、話し合いにより落札者が立ち退き費用を負担せざるを得ない場合があります。
国有地の払い下げや公売等で仕入れることも出来ますが原則として競争入札になります。手間暇をかけて物件を調査して結果として買えなかったということが非常に多くなります。相対取引ではなく、競争入札の競売で仕入れるのは難しく、手間がかかることを考えると不動産仲介業者から仕入れることをおすすめします。
手を出さない方が望ましい不動産について
不動産投資をするにあたって注意すべき代表を記しておきたいと思います。不動産投資をする前に今一度よく立ち止まって検討していただきたいと思います。
- 利回りでだまされる
表面利回りが高いからといって購入してはいけません。冷静にその家賃が正当か、しっかりと敷金を取っているか、等を確認する必要があります。家賃は新築時から住んでいる人がいる場合には、現状の家賃と大きく異なる場合があります。また、利回りを高くするためにフリーレント等で家賃を上げてだましている悪徳業者もいるのでくれぐれも気を付ける必要があります。 - 擁壁
擁壁で倒産した建築会社(不動産会社)は大変多い。擁壁改修費用は莫大で軽く1000万円は超えます。土地を購入する場合には敷地の高低差は必ず確認し、擁壁費用の見積もりは必ずとらなければいけません。 - 接道
不動産の価値を決めるのは道路です。建築基準法に定める道路に2m以上接していなければ建物を建築することはできないので、道路は必ず調査しなければいけません。 - 測量
1棟収益(アパート・マンション)以外の投資用土地物件については、商品価値を高める為に境界確定をしましょう。特に大きな土地を小売りするために分筆(区割り)する場合には必ず隣地の境界確認書を取得する必要があります。購入契約の条件に確定測量の文言を盛り込まなければいけません。 - 私道
私道は掘削と通行の権利が弱い。そのため、購入契約の際には、公道に抜けるまでの全所有者から道路使用承諾書を取得する必要があります。 - 違反建築
建ぺい率・容積率を超過した違反建築の物件は再販売時の際にローンで苦労する。要注意です。 - アスベスト
アスベスト除去費用が掛かることとなる。築古の鉄骨造は要注意です。 - 耐震性
新耐震基準(昭和56年)を満たしているかが再販売時に影響する。さらに旧耐震基準で特定輸送道路に面している物件は耐震診断が義務化されているため、診断後大幅な工事費用(マンション全体で数億円~数十億円)を請求される場合があるので要注意です。
以上が「手を出さない方が望ましい不動産」ですがいかがでしたでしょうか。 多少の知識は必要になりますがそう難しいものではありません。何よりも大切なことは不動産に限らず投資にとって大切なことは、一歩踏み出す行動力と決断力です。悩んでいるだけ、知っているだけでは、何の解決にもなりません。まずは勇気を出して初めの一歩を進んでください。
それでは、どのような物件に投資すれば良いのか。まず初めに初級編として、素人でも手を出しやすい投資方法をご紹介します。自己資金が無い方や不動産知識が薄い人はここからスタートしてみてください。
自宅転売で儲ける
住宅ローンを借りて自宅を購入します。そして実際に自宅として住んだ後1~2年後に転売し利益を得るという投資法です。売却益は居住用3000万円控除を使い無税とします。購入も売却も不動産仲介業者を利用すれば誰でも簡単にできます。 不動産投資をするのに肝心の頭金が無い人はこの方法で頭金を作るのがベストとなります。
100%住宅ローン(金利1%)で購入し1年間住んで2500万円(相場)で売却
当該物件は想定家賃12万円、維持費月2万円
購入時(仕入):購入価格2000万円+諸経費約120万円=2120万円
売却時(売上):売却価格2500万円-諸経費約90万円=2410万円
保有時 :浮いた家賃144万円―金利20万円-維持費24万円=100万円
利益:2410万円―2120万円+100万円=390万円
※投資金額0円で1年住んで390万円の利益を得ることができます。
- 居住用不動産の相場は、比較的安定しています。1年程度の相場変動は、ほとんどないことが多いです。よって、仕入をうまくできれば売却益の確保は容易です。
- 本来支払っていた家賃がなくなります。自分で購入して自分に貸している状態になるため、空室率0%の賃貸住宅を購入するイメージになります。そして、仮に目論見が外れ売却が難しい場合(最悪のケース)でも、気に入って住めば良いという状態となり、リスクが限定的です。
- 住宅ローンは金利が1%(変動金利)前後と非常に有利です。また、住宅ローン控除が使えます。さらに、団体信用生命保険が付保されているため、保険の圧縮が可能です。
- 自宅を売却する場合には居住用3000万円控除が使えるため譲渡税(売却益にかかる税金)が譲渡所得3000万円まで無税になります。※住宅ローン控除と3000万円控除は併用不可
- 値崩れが激しい新築や築浅物件は投資対象外になります。新築好きの奥様や家族を説得しなければいけません。
- 土地、戸建は初めのうちはおすすめしません。築10~20年程度で管理状況の良い中古マンションが良いでしょう。特に室内のコンディションが良く、リフォームせずに住むことができて、リフォームせずに売却ができると一番儲かります。
- 相場の変動があるので長期保有はお勧めしません。
- 転売用なので、綺麗に住まなければいけません。
- 仕事をしていないと住宅ローンは組めません。また、自営業で所得の申告を抑えている人や過去に借入で事故を起こしている人も借入できません。
- 通常手付金として売買契約時に売買代金の3~5%の現金が必要になります。住宅ローンは100%+諸経費分も借入可能なので一時金を確保する必要があるでしょう。
- ポイントは仕入れ価格です。購入時に概ね物件価格の6~7%、売却時に概ね3%の諸経費が必要になります。転売で付加価値をつけるのは難しいため、相場の7~8割の価格で購入する必要があります。
- リフォームをして付加価値をつけて再販することもありますが、慣れない人が仮に200万円のリフォームをして200万円以上販売価格が上がるかどうかは微妙です。上手にリフォームをする自信(経験)が無いようであればリフォームしないで済む物件があればベストです。