大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(大都市法)

今月は「大都市法」をご紹介させていただきます。この法律は、大都市地域における住宅及び住宅地の供給を促進するため、住宅市街地の開発整備の方針等について定めるとともに、土地区画整理促進区域及び住宅街区整備促進区域内における住宅地の整備又はこれと併せて行う中高層住宅の建設並びに都心共同住宅供給事業について必要な事項を定める等特別の措置を講ずることにより、大量の住宅及び住宅地の供給と良好な住宅街区の整備とを図り、もつて大都市地域の秩序ある発展に寄与することを目的とします。それではみていきましょう。

  1. 住宅街区整備事業にかかる仮換地の指定による従前の宅地の使用収益権の停止
    (1)住宅街区整備事業(法第29条)住宅街区整備事業とは、次に掲げる主体が本法に従って行う土地の区画形質の変更、公共施設の新設又は変更及び共同住宅の建設に関する事業をいいます。
    ①住宅街区整備促進区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者
    ②住宅街区整備促進区域内の宅地について所有権者又は借地権を有する者が設立する住宅街区整備組合
    ③施行区域(市街地開発事業としての住宅街区整備事業等について都市計画に定められた区域)内の土地については、都府県、市町村、独立行政法人都市再生機構(以下、都市再生機構という。)又は地方住宅供給公社
    (2)制限の内容(法第83条、土地区画整理法第99条第1項、第3項の準用)住宅街区整備事業にかかる仮換地が指定された場合には、従前の宅地について所有権、賃借権等を有していた者は、仮換地指定の効力の発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について従前の宅地に存する権利と同じ内容の使用収益権を取得する代わりに、従前の宅地の存した使用収益権を停止されます。
  2. 住宅街区整備事業にかかる使用収益停止処分に伴う使用収益の停止
    (法第83条、土地区画整理法第100条第2項の準用)
    住宅街区整備事業を施行する者が、工事の施行を円滑に行うため、換地計画において換地を取得又は利用しないこととされる所有者や賃借権者等に対して、その宅地の使用収益の権能を期日を定めて停止した場合は、その所有者や賃借権者等はその期日から換地処分の公告がある日まで使用収益することが禁止されます。
  3. 土地区画整理促進区域内における建築行為等の制限
    (1)土地区画整理促進区域(法第5条)土地区画整理促進区域とは、大都市地域内の市街化区域のうち、次に掲げる要件を満たす土地の区域について都市計画に定められた区域をいいます。
    ①良好な住宅市街地として一体的に開発される自然的条件を備えていること
    ②既に住宅市街地として形成しているかその見込みが確実な区域に近接していることなど
    (2)制限の内容(法第7条第1項)土地区画整理促進区域内において、次の行為をしようとする者は、都府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければなりません。
    ①土地の形質の変更
    ②建築物の新築、改築又は増築【適用除外】イ通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
    ロ非常災害のため必要な応急措置として行う行為
    ハ都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
  4. 住宅街区整備促進区域内における建築行為等の制限
    (1)住宅街区整備促進区域(法第24条)住宅街区整備促進区域とは、大都市地域の市街化区域のうち次の要件を満たす土地の区域について都市計画に定められた区域をいいます。
    ①高度利用地区内で、かつ、第1種・第2種中高層住居専用地域、第1種・第2種住居地域又は準住居地域内等にあること
    ②区域内の土地の大部分が建築物その他の工作物の敷地として利用されていないこと
    ③0.5ha以上の規模があること
    ④その区域を住宅街区として整備することが、都市機能の増進と住宅不足の緩和に貢献すること
    (2)制限の内容(法第26条第1項)住宅街区整備促進区域内において、次の行為をしようとする者は、都府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。)の許可を受けなければなりません。
    ①土地の形質の変更
    ②建築物その他の工作物の新築、改築又は増築【適用除外】
    イ通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
    ロ非常災害のため必要な応急措置として行う行為
    ハ都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
  5. 住宅街区整備事業施行地区内における建築行為等の制限
    (1)住宅街区整備事業(法第29条)住宅街区整備事業とは次に掲げる主体が本法に従って行う土地の区画形質の変更、公共施設の新設又は変更及び共同住宅の建設に関する事業をいいます。
    イ住宅街区整備促進区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者
    ロ住宅街区整備促進区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する住宅街区整備組合
    ハ施行区域(市街地開発事業としての住宅街区整備事業等について都市計画に定められた区域)内の土地については、都府県、市町村、都市再生機構又は地方住宅供給公社
    (2)制限の内容(法第67条第1項)住宅街区整備事業の施行の認可の公告などの日以後、換地処分があった旨の公告がある日までは、施行地区内において、住宅街区整備事業の施行の障害となるおそれがある次の行為をしようとする者は、都府県知事(市の区域内において個人施行者若しくは組合が施行し、又は市が第29条第3項の規定により施行する住宅街区整備事業にあっては、当該市の長。)の許可を受けなければなりません。
    ①土地の形質の変更
    ②建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
    ③政令で定める移動の容易でない物件の設置又は堆積

★出典(公社)全国宅地建物取引業協会の重要事項説明資料「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(大都市法)」より転記。

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